【事例紹介】子どもたちの笑顔をつなぐ〜心理的ケアと遊び心を両立した保育園の空間デザイン〜
- ganagao
- 9月26日
- 読了時間: 5分
更新日:9月30日

今回は、建替えを機に「もっと子どもたちがのびのびと過ごせる空間をつくりたい」という想いから始まった保育園の色彩設計プロジェクトをご紹介します。
園の先生方や設計士さんとたくさん意見を交わしながら、色の力を通して子どもたちの成長を支える工夫を重ねました。ここでは、特にこだわった5つのポイントをご紹介します。

① 創業者の想いを残す
この保育園は長く地域に愛されてきた場所。
建替えをしても「地域に集う場所であり続けたい」という創業者の想いを大切にしました。
園庭にあった大きな木は、新しい施設でもそのまま活かし、子どもたちを見守る存在に。
さらに、以前の園で人気だった「星の形の蛍光灯」も、新しい建物に取り入れました。
遊び心を残すことで、懐かしさと新しさが共存する空間になっています。


② 施設の顔になる階段
エントランスからすぐに見える大きな階段は、園の“顔”ともいえる場所。
蹴上げ部分に色をつけて、「虹の階段」に仕上げました。
色彩心理学を活かした保育を行っている園だからこそ、この階段が「色が子どもたちの心を支える」という理念を伝えるシンボルに。
見学に訪れる保護者の方への説明もしやすくなりました。

③ 保育士の声から生まれた子どもたちの撮影スポット
保育士さんからのリクエストを取り入れて「子どもたちの作品を撮影できるフォトスポット」を設けました。
虹の階段と組み合わせて、2階にアートワークを配置。
日頃から制作が多い保育園だからこそ、ここは作品を披露したり季節のイベントで写真を撮るのにぴったりの場所に。
日常の思い出がさらに華やかに残せるようになりました。
年に一度の集合写真も撮影するスポットになり、子どもたちの成長をあたたかく見守る思い出深いスペースになりました。

④ 自然と会話がはじまる食事スペースのサイン計画
2階建ての保育園で、全ての園児が一緒に集まるのは食事の時間だけ。
その大切な時間を彩るために、壁面に動物のサインを描きました。
各クラスの動物をシンプルなグリーンのラインでデザインし、子どもたちが「自分のクラスの動物」を探す楽しみも。
主張しすぎずそっと空間を彩るアクセントになって毎日の給食時間が、より一層わくわくするひとときになっています。
【サイン施工】有限会社 エーツーサイン様

⑤ 防犯も意識したスタイリッシュな外観
園児たちの安全を第一に考え、外観は依頼主のご希望でスタイリッシュに。
ただし、内部のにぎやかさとあまりにも差が出すぎないよう、外構デザインで調和を意識しました。
駐車スペースにもコンセプトカラーであるオレンジを取り入れることで、全体がなじみ、地域に自然に溶け込むデザインに仕上がっています。
こうして完成した保育園は、創業者の想いと先生方の声を形にしながら、
多くの工夫を重ねてつくりあげた空間です。
実際に関わってくださった設計士様、そして施主様からも感想をいただきました。
その一部をご紹介します。
想いに寄り添い、共に創り上げる設計パートナー
園長先生からのご紹介でサービスを知り、設計についてはある程度終わってはいたものの、
「保育園の特色」の方針を出すために園長先生や関係者に丁寧なヒアリングをしてもらい、
保育園独自のカラー設計の提案書を作っていただきました。
保育園の希望や想いを大切にしながら、子どもたちに与える影響を考慮してきちんと意見も伝えた上で作り上げるプロセスはプロの仕事として好感を持つことができました。
工事が始まっても工程会議にも出席してもらい、新しい保育園をより良いものにしたいという共通の目的意識で仕事ができたのはとても刺激的で楽しい体験でした。
また、業務上での人脈も広く必要な方をご紹介いただけることにも感謝しています。
建替から3年、地域に選ばれる園舎になりました
色の強弱によって子どもの情緒の安定が変わることは知っていたので、
建替のタイミングでこだわりたいものの、手段が少なく困っていました。
色彩心理学の研修を通してあしたのたのしみ様を知り、すぐに依頼しました。
職場の環境が良くなり職員同士の情緒の安定やコミュニケーションが深くなり、互いに協調性をもって仕事ができています。
あしたのたのしみ様は細かいリクエストも親身になって聞いてくれるし、専門的な立場から「ここにはダメな色です」と意味まで教えてくれますので助かりました。
子ども達も情緒が安定しているようで急に暴れだしたり、ケンカなどほとんどおこりません。毎日ニコニコです。本当にありがとうございます
私はやって良かったですし、建て替えして3年立ちますが「地域の方々や人に選ばれる建物」になりました。
子どもたちが過ごす空間は、成長の一部となり、心に深く刻まれる大切な場所です。
今回の保育園では、「色」がその役割を果たし、安心感と楽しさを両立させることができました。
私たちはこれからも、園の理念や子どもたちの未来に寄り添いながら、色彩設計を通じて“想いをかたちにする”お手伝いを続けてまいります。
#色彩設計沖縄
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